一之江抹香亭は、江戸川区一之江境川親水公園内に位置する歴史ある文化施設です。この場所は、旧東一之江村にある田澤家の旧家屋敷を基盤に作られました。田澤家は江戸時代より「抹香屋」として知られ、抹香を製造してきたことで有名です。抹香亭の庭には樹齢750年以上とされるタブノキがあり、その葉を抹香作りに使用する伝統が今なお受け継がれています。一之江抹香亭は、地域の歴史と文化を後世に伝える場として、多くの人々に親しまれています。

歴史と日本文化、農業と自然体験が育む人間の豊かさ
一之江抹香亭は、江戸時代から続く抹香づくりの伝統や地域の歴史に触れられる場所です。また、隣接する圃場や自然豊かな一之江境川親水公園では、農業や自然体験を通じて、古くからの知恵や自然との調和を感じることができます。こうした体験は、単なる知識や情報を超え、五感を通じて私たちに豊かな感性を育みます。
歴史や日本文化に触れることで、先人たちが守り続けてきた価値観や生き方を学び、自らの生活に新たな視点を取り入れることができるでしょう。また、農業や自然と向き合う体験を通じて、自然のリズムや季節の移り変わりを感じることで、忙しい現代生活の中で忘れがちな「ゆとり」や「つながり」の大切さに気づくことができます。
江戸川区立一之江抹香亭では、四季折々の花々が楽しめる風景と共に、伝統的な行事や文化体験イベントが開催されており、地域の文化に触れることができます。




江戸時代の抹香作り
江戸時代の抹香は、主に宗教行事や日常的な香りを楽しむために使用されていました。一之江の抹香屋田澤家は、独自の技術で高品質な抹香を提供していました。上方(京都や大阪)では、薫物(たきもの)として華やかさや香りの複雑さが重視されていたのに対し、江戸ではシンプルかつ上品な香りが好まれました。田澤家の抹香は、江戸の文化に根付いた「粋」な香りを追求し、長い歴史を持つタブノキの葉を用いることで、他にない独特の香りを持つ抹香を提供していました。
一之江抹香亭では、江戸時代の伝統を受け継ぎ、上品でどこか懐かしい香りをお楽しみいただけるお香を販売しております。香りを一息嗅ぐと、江戸の風情が漂い、静かな心の安らぎを感じることでしょう。この香りを通じて、歴史と文化が息づく香りの世界にぜひ足を踏み入れてみてください。








