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ひな壇

五節句の展示

五節句は、奈良時代に中国(唐)から宮中に伝えられ、日本の文化として発展してきた伝統行事です。季節ごとの旬の収穫物や草花を神々に供え、「五穀豊穣」「無病息災」「子孫繁栄」を祈るとともに、その供物を家族や仲間で分かち合うことで、人々の絆を深める役割を果たしてきました。

春の七草、桃、菖蒲、竹、秋の菊など、日本の季節を彩る草花が節句の象徴となり、自然と暮らしが調和した文化として大切に受け継がれています。また、節句の日付には、奇数が重なる日をめでたいとする中国の思想が反映されています。これが日本に伝わり、風習として定着し、現在まで続いています。

一之江抹香亭では、この五節句にちなんだ展示を通じて、日本の四季折々の美しさや伝統文化を体感していただけます。ぜひ訪れて、節句に込められた意味や歴史を感じながら、日本の豊かな季節の移ろいをお楽しみください。

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​五節句とは?

五節句は、日本の伝統的な年中行事を指し、江戸時代に公式に定められました。それぞれの節句には季節の節目にまつわる意味や風習があり、日本の文化や暮らしに深く根付いています。一之江抹香亭では、この五節句にちなんだ展示を行い、訪れる方々に伝統文化を楽しんでいただいています。

 

五節句の概要

  1. 人日(じんじつ) – 七草の節句(1月7日)
    一年の無病息災を願う行事です。この日には、春の七草を使った「七草粥」を食べる習慣があります。一之江抹香亭では、七草の展示や羽子板の紹介が行われます。

  2. 上巳(じょうし/じょうみ) – 桃の節句(3月3日)
    女の子の健やかな成長を願う行事で、「ひな祭り」として知られています。桃の花を飾り、ひな人形を飾るのが特徴です。草餅や菱餅を供え、季節の訪れを祝います。

  3. 端午(たんご) – 菖蒲の節句(5月5日)
    男の子の成長と健康を祈る日で、鎧兜や五月人形、鯉のぼりが飾られます。菖蒲湯に入り、柏餅やちまきを食べる風習もあります。

  4. 七夕(たなばた/しちせき) – 笹の節句(7月7日)
    短冊に願い事を書き、笹に飾る行事です。一之江抹香亭では七夕飾りを展示します。かつては索餅(さくべい)という小麦粉を使ったお菓子を食べる習慣がありました。

  5. 重陽(ちょうよう) – 菊の節句(9月9日)
    菊の花を用いて長寿を願う行事で、栗飯や菊酒を楽しみます。「後の雛」として特別な人形を飾る風習もあります。一之江抹香亭では、菊の展示が行われます。

 

五節句は、四季の移ろいや自然を取り入れた日本ならではの行事です。一之江抹香亭の展示では、これらの節句を体感しながら、伝統文化の深さに触れることができます。ぜひお越しになり、日本の四季折々の魅力をお楽しみください。

雛人形の展示

桃の節句(上巳の節句)は、3月3日に行われる日本の伝統的な行事で、女の子の健やかな成長と幸福を願う日として知られています。この節句の起源は、中国の「上巳節」という風習に遡ります。

起源と歴史

上巳節(じょうしせつ)は、中国で3月最初の巳の日に川で身を清め、不浄を祓う儀式として行われていました。この風習が奈良時代に日本に伝わり、平安時代には宮中行事として定着しました。平安時代の貴族の間では、人形(ひとがた)を水に流して厄災を祓う「流し雛」の儀式が行われていました。

江戸時代になると、上巳の節句が五節句の一つに定められ、ひな祭りとして広まりました。この時期、桃の花が咲き始めることから「桃の節句」と呼ばれるようになり、現在に至るまで続いています。

ひな飾りの由来

ひな飾りは、平安時代の貴族の間で流行した「ひいな遊び」という人形遊びが起源とされています。江戸時代になると、雛人形は単なる遊び道具ではなく、厄除けや子どもの健やかな成長を祈る象徴として飾られるようになりました。

ひな飾りには、皇族を象徴する内裏雛(だいりびな)や、三人官女、五人囃子などがあり、伝統的な日本の文化や生活様式が反映されています。現代では、ひな壇が豪華になる一方、コンパクトな飾りも普及し、家庭ごとに独自の工夫が見られます。

草餅・菱餅の由来

  • 草餅(よもぎ餅): 草餅は、春に採れるヨモギを使い、その香りと色を楽しむ食べ物です。ヨモギは薬効があるとされ、邪気を祓う力があると考えられていました。

  • 菱餅: 菱餅は、紅・白・緑の3色の層が特徴で、それぞれに意味があります。

    • 紅: 魔除けや厄除け。

    • 白: 清浄や純潔。

    • 緑: 健康や長寿(ヨモギの象徴)。 この3色が重なり、生命力の強さや平和な生活を祈願する意味が込められています。

桃の節句の由来

桃の節句に「桃」が使われるのは、桃の木が古代中国で不老長寿や邪気を祓う象徴とされていたためです。また、春の訪れを告げる花として、桃の花は生命力の強さや幸福を象徴しています。日本でも、桃の花が節句の象徴として飾られるようになり、現在ではひな祭りの重要なモチーフとなっています。

風習と楽しみ方

桃の節句では、ひな飾りを用意し、家族で草餅や菱餅を食べたり、白酒を飲んで祝います。女の子の成長を祈る気持ちが込められた行事であり、家族や親戚が集まる楽しいひとときでもあります。

桃の節句は、日本の季節行事としての美しさと、日本人の伝統的な価値観を受け継ぐ大切な行事です。その歴史や風習に触れることで、文化の豊かさを改めて感じることができます。

端午の節句(5月5日)は、日本の伝統的な行事で、男の子の健やかな成長や健康を祈る日として知られています。この行事の起源は中国の「端午節」にあり、日本では奈良時代に宮中行事として定着しました。江戸時代には五節句の一つとして公式に定められ、庶民にも広まりました。

端午の由来

「端午」の「端」は「初め」を意味し、「午(ご)」は十二支の午(うま)を指します。古代中国では5月5日が厄日とされ、この日に薬草を摘んだり、邪気を払う行事が行われていました。この風習が奈良時代に日本に伝わり、菖蒲を使った儀式や健康祈願の行事が行われるようになりました。

「菖蒲(しょうぶ)」は武士の「尚武(しょうぶ)」と同じ読みであることから、武家社会で特に重視され、男の子の成長や立身出世を祈る行事として発展しました。

五月人形の由来

五月人形は、端午の節句に飾られる武士の鎧兜や武具を模した人形で、男の子を厄災から守り、健康と成長を願う象徴です。この風習は、平安時代の「流し雛」や鎧兜の贈り物が起源とされています。江戸時代になると、豪華な鎧兜や武士人形が作られ、現在のような五月人形の形に定着しました。

五月人形には、男の子の強さや勇敢さを象徴する意味が込められており、家庭の家宝として大切に扱われます。

鯉のぼりの由来

鯉のぼりは、中国の「鯉が滝を登り、龍になる」という伝説に由来しています。この伝説は、鯉が困難を乗り越えて出世する姿を象徴しており、男の子が強くたくましく成長することを願う意味があります。

江戸時代には、武家が家紋入りの幟旗(のぼりばた)を掲げる風習があり、庶民の間ではその代わりに鯉の形をした布を揚げるようになりました。現在では、青空に泳ぐカラフルな鯉のぼりが端午の節句の象徴となっています。

ちまきの由来

ちまきは、中国の「屈原(くつげん)」という詩人にまつわる伝説に由来します。屈原が川に身を投げた際、彼の魂を鎮めるために川に供えられた竹の葉に包んだ餅がちまきの起源とされています。

日本では端午の節句にちまきを食べることで、邪気を払う意味が込められています。特に関西地方では、もち米を笹の葉で包んだちまきが一般的です。

柏餅の由来

柏餅は、関東地方で端午の節句に食べられる伝統的な和菓子です。柏の葉は、新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「家系が絶えない」という縁起物とされてきました。そのため、柏餅には「子孫繁栄」や「家族の繁栄」を願う意味が込められています。

中には餡(あん)や味噌餡が包まれており、地域によって作り方や味が異なります。

端午の節句の楽しみ方

端午の節句は、家族で五月人形を飾り、鯉のぼりを揚げ、ちまきや柏餅を食べて祝います。また、菖蒲湯に入ることで邪気を払い、健康を祈ります。これらの風習は、子どもの成長や家族の絆を感じるひとときとなるでしょう。

端午の節句は、困難に立ち向かう強さや健康、幸福を祈る日本の大切な伝統行事です。その歴史や風習に触れることで、文化の豊かさを改めて感じることができます。

七夕飾りの展示

七夕(たなばた)は、7月7日に行われる日本の伝統的な行事で、中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん)」と、日本古来の棚機(たなばた)の風習が融合して生まれました。星祭や笹の節句とも呼ばれ、織姫と彦星の伝説や、笹飾りなどの風習を通じて、願い事をする行事として広く親しまれています。

七夕の歴史

中国の乞巧奠(きこうでん)

七夕の起源は中国にあります。中国では古くから、織姫(織女星)と彦星(牽牛星)が天の川を挟んで年に一度だけ会うことができるという伝説がありました。この日には、織姫にちなみ、女性が裁縫や手芸の上達を願う「乞巧奠」という儀式が行われました。この風習が奈良時代に日本に伝わり、宮中行事として定着しました。

日本古来の棚機(たなばた)

日本では、古来から「棚機(たなばた)」という行事が行われていました。神聖な布を織る巫女が、河川近くの棚機の機(はた)で布を織り、神様を迎える儀式を行っていました。この棚機の行事と、中国の乞巧奠が融合し、現在の七夕となりました。

江戸時代以降

江戸時代になると、庶民の間でも七夕が広まり、現在のような笹に願い事を飾る風習が一般的になりました。

七夕飾り

七夕飾りは、竹や笹に願い事を書いた短冊や装飾を吊るす風習で、星に願いを届けるためのものとされています。笹が使われる理由は、その生命力の強さや神聖さに由来します。七夕飾りには以下のような種類があります。

  • 短冊: 願い事を書いて笹に吊るします。五色(青・赤・黄・白・黒)の短冊には、古代中国の五行思想が反映されています。

  • 折り鶴: 長寿や平和を願う象徴。

  • 吹き流し: 織姫が使う糸を象徴し、裁縫や技芸の上達を祈るもの。

  • 網飾り: 豊漁を祈る。

  • 巾着: 金運や商売繁盛を願う。

七夕飾りは、家族や地域で作ることで楽しみながら願いを込める伝統行事です。

索餅(さくべい)の由来

索餅(さくべい)は、七夕の日に食べられていた小麦粉を練った細長いお菓子で、現代のそうめんの原型とされています。その起源は中国の漢代にさかのぼり、疫病を祓うための食べ物として伝えられました。索餅の形は、天の川を象徴するとも言われ、日本でも奈良時代に伝わり、七夕の行事食として取り入れられました。

現在では索餅に代わり、そうめんが七夕の日に食べられることが多くなっています。そうめんを食べることで、暑気払いとともに、無病息災を願う風習が続いています。

七夕の楽しみ方

七夕は、願い事を短冊に書き笹に飾るだけでなく、織姫と彦星のロマンチックな伝説に思いを馳せたり、家族や地域で飾りを作って季節の風物詩を楽しむ行事です。また、そうめんや七夕にちなんだ食事を囲むことで、家族の絆を深める機会ともなります。

七夕は、古代からの伝統を受け継ぎながら、現代でも日本人に愛される行事として、夏の風物詩の一つとなっています。その歴史や文化に触れることで、日本の豊かな伝統を再発見できるでしょう。

連絡先

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​一之江抹香亭

いちのえまっこうてい

〒132-0024

東京都江戸川区一之江5-13-16

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開園時間 : 9:00~17:00

 休園日 : 12/29~1/3

 

​ 入園料 : 無料

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